
このような悩みを解決します.
・本記事の信頼性
この記事を書いている私は、理学療法士10年目、ピラティスインストラクター2年目。分子栄養学の情報は、オンラインアカデミー、セミナーで学習した内容を参考にして書いています。
・本記事から分かること
- どうして便秘になるのか
- 便秘を治すために必要な食事や栄養の知識

なぜ、便秘になるのか?
食事は、どのようなことに気をつけたら良いのか?
解説したいと思います!
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目次
便秘とは
便秘は、未病(ほぼ病気の状態)と呼ばれます。
なぜ、便秘は体に悪いのでしょう?
まずは、便秘について解説していきます。
便秘の定義
- 便秘は、3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態である。
(引用:日本内科学会より)
ポイント
- 食事をしてから便として排泄されるまでにかかる時間は、約12〜48時間とされています。
- 1回に排泄される便の量は、バナナ1本分くらいの量が理想的です。
- 理想的な排便の回数は1日に約1〜2回、かつ下痢ではないことです。
注意
- 1日4回くらいになると消化不良による下痢の可能性もあります。
- 便の色や臭いや色も注意が必要です。黄土色の便は、弱酸性で臭いが強くなく、理想的な便です。
黒っぽい茶色で臭いが強い便は、アルカリ性であり、良くないとされています。
便秘の患者数
- 便秘の自覚症状がある人は、男性で2.5%、女性で4.6%とされ、国内では約450万人になります。
- また、便秘は高齢者ほど多く、男女ともに60代から上昇し、70代では男性6.7%・女性8.2%、80歳以上では男女とも10.8%になります。
(引用:厚生労働省、国民生活基礎調査2016年より)
便秘の症状
便秘の症状は、以下のようなものがあります。
- 何日も排便がない
- 便が溜まっている感じはあるが、いきんでもでない
- 下剤を内服しないとでない
- お腹が張って苦しい
- 便がでても出きった感じがしない
- 便が硬かったり小さなコロコロの便が出る
- 吐き気がある
- 食欲がない
(引用:https://www.meiji.co.jp/karadakaizen/know/entry006.html)
ポイント
- これらの症状は、口腔から大腸までの「消化と吸収」が上手く行えていません。
注意
便秘は腸内環境の悪化、免疫不全、有害ミネラルの 体内蓄積に繋がります。
- 何日も便が出ずに大腸の中で滞留すると、便からアンモニアなどの毒素を再吸収してしまいます。
- 毒素を分解するためには、BH4(テトラヒドロビオプテリン)を使用します。
- BH4は、神経伝達物質の材料であり、解毒で使用すると自律神経の調整が上手く行えなくなります。
- 自律神経の不調は、疲労感、太りやすい(体脂肪が落ちにくい)などの症状も出現してきます。
便秘の原因
便秘の原因は、腸内環境の悪化です。
原因を知るためには、便の構成成分について知ることが大切です。
便の構成成分の80% は水分ですが、便秘を予防するために水分だけを摂れば良いわけではありません。
水分は、便の硬さを決める重要な要素ですが、 便を形作る(量を増す)のは他の約 20% の役割です。
残りの20%の内訳は、
・消化吸収されなかった食べ物のカス:約6%
・腸内細菌の死骸:約7%
・ターンオーバーして剥がれ落ちた腸の上皮細胞:約7%
はてな
- ターンオーバーとは、新陳代謝により新しい細胞に生まれ変わることです。
- 新しく生まれた細胞は、形を変えながら表面に押し上げられていき、細胞が死んだ状態で最後は”垢”となって剥がれ落ちます。
- 小腸では、このターンオーバーが早く、わずか2日ほどです。(肌の細胞では1ヶ月ほどかかる)
つまり、腸内細菌の数が少ない、腸の上皮細胞のターンオーバーが出来ないことが腸内環境を悪化させ、便秘の原因になります。
大腸の働きと腸内細菌
- 大腸は、小腸から入ってきた内容物から水分を吸収し、便を形成し、腸内細菌による「発酵」と「腐敗」を行います。
- また、大腸は「腸内細菌」の住処としての大きな役割を持ちます。
「腸内細菌」とは?
- 腸内には1,000種類以上、100兆個以上の腸内細菌が生息していることが知られています。
- 腸内フローラ、腸内神経叢とも呼ばれており、そのほとんどが大腸に存在しています!
腸内細菌は、3種類に分けられます。
- 善玉菌 : ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌など
- 日和見菌 : バクテロイデス、大腸菌など
- 悪玉菌 : ウォルシュ菌、フラギリス菌、クロストリジウムなど
この中で最も数が多いのは、日和見菌(ひよりみきん)です。
次に善玉菌が多く、最も少ないのは悪玉菌です。
この3者の理想的な比率は、善玉菌:日和見菌:悪玉菌 2:7:1とされています。
日和見菌は善玉菌、悪玉菌のどちらにもなれる菌のことです。
善玉菌の割合が悪玉菌よりも多くあることで、日和見菌が善玉菌に加勢し、腸内が酸性になります。
悪玉菌が増えると腸内がアルカリ性に傾き、アンモニアが生成されてしまいます。
便秘を治すために取り除くべき食品
取り除くべき食品は以下のようなものです。
- 過剰な糖質
- リノール酸
\詳しい情報はこちら!/
これらの食品による悪影響
注意
- 腸内細菌(善玉菌)の餌にならない
- 腸上皮細胞のターンオーバーを促すことが出来ない
- 小腸で栄養の吸収が終わってしまう。(大腸に届かない)
便秘を治すために必要な食品・栄養素
便秘を治すために必要なものは、プロバイオティクスとプレバイオティクスです。
その中でも、玉ねぎは食物繊維(水溶性)であり、非常に優秀です!
プロバイオティクスとは?
- 善玉菌そのものを取ること
- 乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などを摂取すること
プレバイオティクスとは?
- 善玉菌の”餌”になるものを摂ること
- オリゴ糖、食物繊維(水溶性)を摂取すること
ポイント
- 腸内環境を良くするために、プロバイオティクスとプレバイオティクスのどちらが大切なのでしょうか?
- 答えは、圧倒的に「プレバイオティクス」です。
- 善玉菌に餌を与えることで、善玉菌は短鎖脂肪酸を生成し、腸内環境を整えてくれます!
- 短鎖脂肪酸は、腸の回復に必要な栄養素で、腸管内を弱酸性にしてくれるためミネラルが吸収されやすくなります!
- 善玉菌だけを摂取していても効果は少なく、その餌となる栄養素が必要なのです。
- それが、食物繊維(水溶性)です。
食物繊維とは?
- 人の消化酵素では消化されない食物中の成分の総体。
- 小腸内では消化・吸収されにくく、大腸の腸内細菌によって分解(発酵)され、短鎖脂肪酸を生み出す。
- 短鎖脂肪酸は、上皮細胞のエネルギーとなり、ターンオーバーを促す。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。
- 水溶性食物繊維
【働き】
- 腸再細菌の餌になる
- 食後血糖値の上昇を抑える
- 脂肪の吸収を抑制する
- 便を柔らかくする
【含まれる食品】
果物、こんにゃく、海藻類、オーツ麦、大麦、玉ねぎ、菊芋など
- 不溶性食物繊維
【働き】
- 便のかさを増す
- 腸の蠕動運動を促す
- 有害物質を体外へ排泄
【含まれる食品】
野菜、穀類、豆類、ココア、ピーナッツ、きのこ類など
ポイント
- 水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、どちらも重要です!
- 便の観点からいうと、野菜は不溶性食物繊維が多く、水分量が少ないため便の嵩は増しますが、水分量は減ってしまいます。
- 不溶性食物繊維ばかり摂っていると、便は大きくはなりますがカチカチの便が作られ、逆に便秘になってしまう恐れもあります!
- 水溶性食物繊維は便を柔らかくするのに効果的です。
- 不溶性食物繊維が不必要なわけではありませんが、慢性の便秘の方は野菜だけを摂り過ぎるのには注意しなければなりません。
摂取量の目安
・推奨摂取割合 水溶性:不溶性 1:2
・推奨摂取量 男性20g(水:脂 7g:14g)、女性18g(6g:12g)
便秘解消にオススメ!水溶性食物繊維「イヌリン」!
イヌリンは玉ねぎ・ごぼう・キクイモに多く含まれ、腸内環境を整え、血糖値の上昇抑制、血糖値の乱高下の抑制に働きます。
1日の摂取目安は10〜15gほどです。
玉ねぎだと1日に約2玉食べる必要があります。
玉ねぎやごぼうが苦手な方も含めて、イヌリンのパウダーを活用してみるのもよいでしょう。
一気に摂り過ぎると下痢になりやすいので、毎食5gを味噌汁などに混ぜると効率よく取ることができます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
便秘になる原因は、腸内環境の悪化であり、その原因はいわゆる欧米食です。
また、腸内環境を改善するためには、腸内細菌と上手く付き合っていく必要があります。
そんなときに役に立つのが、食物繊維(水溶性)です。
目安としては、1日の摂取量は10〜15gであり、玉ねぎだと1日に約2玉食べる必要があります。
難しいと思われる方は、イヌリンパウダーをお試し下さい。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。
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