
呼吸が、肩こりと腰痛の原因になっていることは分かったよ。
でも、どうやって治したらいいのかな?
このような悩みを解決します。
- 本記事の信頼性
この記事を書いている私は、理学療法士10年目、ピラティスインストラクター2年目。勤務している整形外科クリニックでは、1ヶ月あたり約120名、約150時間のリハビリテーションを行っています。

この記事はこんな人におすすめ!
ポイント
- 仕事や日常生活で肩こり、腰痛に悩んでいる。
- 接骨院やリハビリに通っているけど肩こり、腰痛が治らない。
- ストレッチや筋トレを試したけど肩こり、腰痛が良くならない。
- 今から運動を始めるけど、何からしたら良いか分からない。
目次
鼻呼吸と口呼吸について
鼻呼吸のメリット
鼻呼吸とは、
「鼻から息を吸って鼻から息を吐くこと」
ですが、多くのメリットがあります。
- 体内に取り込める酸素の量が20%増える
(呼吸の量が減ると酸素の摂取量が増える) - 空気を温める
(体温と同じ温度になり、湿気を与える) - 大量の細菌やバクテリアを排除する
- 運動時に行うと、有酸素運動と同じ効果が得られる
- 一酸化窒素(NO)を分泌する
体内に取り込める酸素の量が20%増える
鼻呼吸は、
鼻腔という気道を通って、
肺へ空気が送られます。
鼻腔には鼻腔抵抗という、
空気の抵抗があります。
鼻腔抵抗は、
空気を温めたり、細菌やバクテリアを
排除するのを助けます。
鼻呼吸は、
鼻腔抵抗のおかげで、口呼吸に比べて
呼吸の抵抗が約50%高くなります。
余分な量の空気を取り込まないため、
血液中にある酸素と二酸化炭素の
バランスが良くなります。
そのため、
鼻呼吸は、体内に取り込める酸素の量が
口呼吸より20%増えます。
メモ
前回の記事でも書きましたが、
多くの人は、
すでに「酸素を吸いすぎています」
そのため、身体は
「二酸化炭素不足」になります。
人間の体は、
二酸化炭素が不足すると
酸素を全身の細胞へ運ぶことが
出来なくなります。
口から大きく息を吸い込むこと
「深呼吸」は避けたいです。
一酸化窒素(NO)とは
NOは、
鼻呼吸にする最大のメリットとも言えます!
鼻呼吸により
空気が鼻腔を通ることで
肺と血管に流れます。
口呼吸では
肺まで十分に到達しません。
NOは、
重要な役割をたくさんもっています。
- 脳卒中・心筋梗塞の予防
高血圧を予防する
コレステロール値を下げる
動脈の柔軟性を保つ - 抗ウイルス、抗菌作用
- 運動のパフォーマンス向上
酸素の運搬能力が上がる
引用・参考文献
:「人生が変わる最高の呼吸法」
パトリック・マキューン著
「新しい呼吸の教科書」近藤拓人著
口呼吸のデメリット
口呼吸は、
「口から息を吸って、口から息を吐くこと」
口呼吸は、
鼻呼吸に対してメリットがありません。
口呼吸には多くのデメリットがあります。
- 呼吸量が増える
- 姿勢が悪くなる
- 呼吸を補助する筋肉が弱くなる
- 虫歯、歯周病になりやすい
- 口臭の原因になる
- いびき、睡眠時無呼吸症候群の原因になる
呼吸量が増える
前述の通り、
口呼吸は、多量の空気が
体内に取り込まれるため
酸素過多になります。
過剰な酸素の摂取は、
脳や筋肉のへの
酸素供給を減らすため、
パフォーマンスの低下に
つながります。
また、過呼吸のリスクも上がります。
姿勢が悪くなる
慢性的な口呼吸は、姿勢を悪くさせます。
姿勢が悪くなるメカニズム
-
- 口を開いて呼吸をする
- 顎が後ろに下がって、呼吸が苦しくなる
- 苦しいので、無意識に頭を前に突き出す
- 舌が下がり、呼吸が苦しくなる
- 猫背になる
- 2〜4を繰り返し、姿勢が悪くなる
注意
猫背は、
絶対的な悪ではありませんが
肩こり・腰痛の原因になります。
横から姿勢を見たときに
頭が肩より前に出ている人
口が空いている人
は注意が必要です。
虫歯、歯周病、口臭
口を開いて呼吸をしているので、
唾液の量が減ります。
唾液は弱アルカリ性です。
唾液が少ない口の中は、
乾いてしまい、酸性になります。
そのため、
虫歯、歯周病、口臭の原因になります。
いびき、睡眠時無呼吸症候群
口を開いて呼吸をしているので、
舌が落ちてしまい、
のどをふさいでしまいます。
これが、
いびきと睡眠時無呼吸症候群の
原因になります。
睡眠の呼吸が上手くいかないので、
日中の眠気や疲れがとれません。
引用・参考文献
:「人生が変わる最高の呼吸法」
パトリック・マキューン著
「新しい呼吸の教科書」近藤拓人著
鼻呼吸にするためのエクササイズ
では、鼻呼吸にするための
エクササイズを紹介します。
舌の体操
舌を口の中で動かすことは、
舌の位置を治すために有効です。
口呼吸では、
前述したように
「舌が下がって落ちています」
- 舌を前に出す↔舌を奥へ戻す
- 舌を右に出す↔舌を左へ出す
- 舌を上に出す↔舌を下へ出す
- 唇をなめるように、舌を動かす
(右回り、左回り) - 硬口蓋に舌を押し付ける
(口の中の上で前方の硬い部分を硬口蓋といいます)
それぞれ、5回ずつを毎日行ってみましょう。
最初は、鏡を見て行いましょう。
ウォーキング
鼻呼吸で運動することは、
鼻呼吸の学習に非常に有効です。
今回は、
ウォーキングをする際の
ポイントを紹介します。
ポイント
-
- 鼻で小さく静かに息を吸い、鼻で息を吐く
- 息を吸う・吐く時間をできるだけ長くする
- 息を吸うときは音がしないようにする
- 息を吸う時間は長くなるが、強く吸わない
- 舌は硬口蓋に押し付けたままにする
鼻呼吸で歩くことができる強度で行いましょう。
(距離、歩数、速度に気をつける)
鼻づまりを治すエクササイズ
- 鼻で小さく静かに息を吸い、鼻で息を吐く
- 息を止めて鼻をつまむ
- 息を止めて、できるだけ歩く。
(これ以上、息を止めることができないと思うまで) - 鼻から手をはなして、ゆっくりと鼻呼吸をする。
(できるだけ早く呼吸を落ち着かせる) - これを、鼻づまりがなくなるまで繰り返す
- 歩くのが難しい場合は、
座った状態で体をゆらすだけでも良い。 - 通常は、5〜6回繰り返す
注意
以下の症状がある、または以下の治療を受けている場合は、このエクササイズを行わないこと
BOLTスコアが10秒未満の人/高血圧/循環器疾患/糖尿病/妊娠/重い健康問題
/食事の直後には行わない
風船トレーニング
風船は、
「息を吐くことに抵抗をかける」
ことができます。
また、口元をくわえているので
鼻からしか息を吸うことが出来ません。
風船を使ったトレーニングを紹介します。
- いすに腰かけて、
ゆっくり息を吐きながら
風船をふくらませる。 - 息を吐ききったら、
風船の口を手でつまむか
舌を硬口蓋に押しつけて風船が
しぼまないようにする。 - そのまま、3〜5秒ほど息を止めて、鼻で息を吸う。
- 吸った息を吐き、風船をさらにふくらませる。
- これを4〜5回繰り返す。
唇にテープを張って寝る
日中だけでなく、
睡眠時も鼻呼吸にする必要があります。
睡眠時に、唇にテープを貼って
口が開かないようにする方法が
簡単で有効です。
サージカルテープや
粘着力の弱い絆創膏が
適しています。
以下のような症状があれば
鼻呼吸で眠れている可能性が
高いと考えられます。
朝起きたときに
- 口の中が湿っている
- のどに痛みがない
- 頭がスッキリしている
- 朝までぐっすり眠れた
寝ているときのイビキが減るなどの効果もあります。
3ヶ月続けることで、効果が期待できる。
引用・参考文献
:「人生が変わる最高の呼吸法」
パトリック・マキューン著
「新しい呼吸の教科書」近藤拓人著
わたしは、
個人的に唇にテープを貼ることを
1年以上続けています。
朝起きたときの
頭のスッキリした感覚や
日中に眠くならなくなりました。
まとめ
今回は「鼻呼吸」について解説しました。
鼻呼吸はメリットだらけですが、
以下の2つが大きいです。
- 体内に取り込める酸素の量が20%増える
(呼吸の量が減ると酸素の摂取量が増える) - 一酸化窒素(NO)を分泌する
口呼吸はデメリットだらけです。
以下の2つは、
肩こり・腰痛の原因になります。
- 呼吸量が増える
- 姿勢が悪くなる
改善するエクササイズとして
- 舌の体操
- ウォーキング
- 鼻づまりを治すエクササイズ
- 風船トレーニング
- 唇にテープを張って寝る
を紹介しました。
ぜひお試しください。